中小法人のさまざまな優遇制度
中小企業は大企業とくらべると基盤や競争力が弱いため、税制上さまざまな優遇措置がとられています。
中小法人の税率の軽減
一般の法人については、所得金額に対して30%の法人税がかかりますが、資本金1億円以下の法人に対しては税率の軽減が図られています。

小額な減価償却資産の損金算入
中小企業者が30万円未満の減価償却資産を取得した場合、一定の要件を満たせば、その取得価格相当額を一時の損失に算入できる制度があります。
交際費等の定額控除
法人が交際費等を支出した場合、その金額が損金不算入とされますが、資本金1億円以下の法人には、一定額を損金に算入できる制度があります。
中小法人の優遇制度の不適用の特例
資本金5億円以上の大法人の100%子会社については、下記の優遇措置の適用はありません。

中小企業の優遇措置の適応範囲

グループ法人税制が創設されました
平成22年度の税制改正でいわゆる「グループ法人税制」が創設されました。その主な内容は以下のとおりです。
- 100%グループ内の法人間の取引に関する税制
100%グループ内の内国法人間で一定の資産の移転を行ったことによる譲渡損益は、その資産がグループ外に移転する等の時まで計上を繰り延べることとされます。
また、100%グループ内の内国法人間の寄附金については、支出した法人についてはその金額が損金不算入とされるとともに、寄附を受けた法人についてはその全額が益金不算入とされます。 - 中小法人の優遇制度の不適用
資本金5億円以上の大法人の100%子会社については、以下の中小法人向けの優遇制度が適用されません。
[1]法人税の軽減税率
[2]特定同族会社の留保金課税の不適用
[3]貸倒引当金の法定繰入率による繰入れ
[4]交際費等の損金不算入制度による定額控除
[5]欠損金の繰戻しによる還付制度
※ [1]については平成22年10月1日以後の取引から、[2]については平成22年4月1日以後に開始する事業年度から適用されます。